メランコリー親和型の性格とうつ病発症への影響を考察する
診断書には「本人のメランコリー親和型の性格が織りなす・・・」
という記述があります。
メランコリー親和型の性格とは
どのような性格の事を言うのでしょうか、
また、どのように対処すればよいのでしょうか。
上のサイトを参考にしながら私自身のケースについて、
考察していきたいと思います。
1.メランコリー親和性の性格とは
メランコリー親和型性格というのは、
・ルールや秩序を守る、几帳面
・自分に厳しく、完璧主義、責任感が強い
・他者に対しては律儀で誠実。衝突や摩擦を避けるなどの傾向を持つ性格の事です
確かに、当てはまっている部分が多いです。
自分の価値観に対して非常に忠実に生きようとしますし、
あえて高い目標を掲げて自分を追い込んでいったりもしますし、
人付き合いが苦手な割には良く言えば愛想が良く、
悪く言えば八方美人なところがあります。
うつ病になるまでは、考えがブレにくい、
自分を追い込んで限界までチャレンジしてみる、
人付き合いは苦手なりに楽しくやっていると捉えていました。
メランコリー親和型の基盤にあるのは「秩序志向性」です。これは秩序やルールをかたくなに守るという性格です。メランコリー親和型の秩序志向性の背景には、「負い目を避けたがる」という心理があり、負い目への過剰なまでの恐怖を抱えています。
少し意味合いは違うかもしれませんが、
自分の人生は予定調和的(自分の思った通り)に進んでいく
と考えていた節があります。
自分の中では将来のことをイメージ化できていると
プラスに考えていたのですが、
反面、思い通りにいかないことがあると
激しいストレスを感じていました。
「自分」ではなく「他者」のために尽くす傾向があります。
これは全然当てはまっていないと思っています。
どちらかというと損得勘定が激しく、自己中心的だと思っていました。
でも、周りの人のことを気にし過ぎて疲れてしまうことは多いです。
2.メランコリー親和型の性格によるうつ病発症への影響
メランコリー親和型性格の方は、秩序やルールを大切にします。和を乱す事を嫌い、規則をしっかりと守ります。これは社会生活、集団生活を行う上でとても大切な事ですので、メランコリー親和型性格の方の会社や集団からの評価はとても良いものになります。
しかし問題は、秩序を過剰なまでに重視するということです。これは秩序の変更が余儀なくされた時に適応できなかったり、アイデンティティを保てなくなるという危険をはらんでいます
自分がこだわることに関しては譲らない、頑固なところがあります。
また、どうにもならないことについても後悔したり、
どうにかならないかと考え過ぎる傾向もあります。
考えてどうにかなることなら考えたらいいんですけどね。
堂々巡りになってしまうことも多いです。
うつ病を発症しやすい要因として、
・引っ越し
・昇進
・結婚
・出産
・親しい人の死去などがありますが、これらはどれも急に自分を取り巻く周囲の環境が変わり、秩序・ルールの変化への対応が求められます。
これは思い当たることが多いです。時期的にも重なってしまいました。
・引っ越し(約4年前)
・昇進(約2年半前と約1年前半前)
・結婚(約4年前)
・出産(約1年半前に妻が妊娠⇒出産)
・親しい人の死去(父親が脳梗塞による重度の半身麻痺で要介護、約1年前)
それぞれについてはまた1つずつ詳しく紐解いてみたいと思いますが、
これでもかというくらい重なりました。
・転職の検討と内定、再発による辞退(約半年前)もあります。
引越せば、新たな土地での新たなルールがあるでしょう。昇進すれば、自分の立ち位置が変わるため、今までと全く同じルールで仕事をするわけではなくなります。また、新しい家族が増えたり、反対に家族が亡くなった場合も環境は強制的に変化させられます。
メランコリー親和型性格の方はこのような急な環境変化に対して秩序変更をスムーズに行うことが苦手であるため、ストレスを受けやすく、そのためにうつ病を発症してしまいやすいのです。
確かに、先ほど挙げた昇進や結婚などは幸せなことではあるのですが、
同時に今までと環境が大きく変わることとなったため、
大きなストレスが掛かる原因にもなりました。
メランコリー親和型性格は、「完璧主義だけど、完璧には出来ない」という矛盾を抱えた性格なのです。
メランコリー親和型性格の方が目指そうとしている目標は、実際には達成不可能なものです。ある程度妥協が必要であり、「100%」「完璧」を人間が一人で達成できるはずもありません。そしてその不可能と戦い続けているのであれば、いつか精神が破たんしてしまうということは想像に難くありません。
これは思い当たる節があります。
無理そうでもやれば出来るはずという
根性論のようなものを持っていました。
そして、うつ病発症までは
それが上手く回っていたのですが・・・
精神が破たんしてしまったんでしょうね。
うつ病発症の2~3年前から、
ストレスが大きくなってきているのは感じていました。
でも責任も重くなってくるのは当然だし、
慣れていくはずとも思っていました。
対策をしなかったのは耐えることができたからです。
破たん前と破たん(うつ病発症)後とでは、
精神状態は天と地の差があります。
同じ世界で生きているとは思えないくらい。
そして、簡単には治りません。
心掛けとか気持ちの持ちようとかそんなレベルではありません。
治療は私が再発症者であることもありますが、
最低でも5年程度は見ておく必要がありそうです。
そう考えると、うつ病予備軍の人を
発症から守っていくことは非常に重要なことですね。
平成27年12月に施行されたストレスチェック制度の
実効性の高い運用を期待したいです。
メランコリー親和型性格の方は、他者との衝突・摩擦を避け、他者に対して律儀・誠実に尽くします。
これはとても素晴らしい事なのですが、他者のために存在し、他者のために献身するという事は、とても気を遣うことです。また、他者の役に立てたという事で充実感を感じるというのは、他者によって自分の価値観が決まってしまうということになります。他者の評価は自分ではコントロールできないため、それによって自分の価値観が左右されると言う事は、自分の価値観が容易に崩されてしまうという事にもなります。
また、他者のための存在でありすぎると、自分にとって重要な他者(家族など)が死去したり自分の元から去ってしまった場合、生き甲斐の喪失などにつながってしまいます。
自分の主張は曲げたくないけど、人と衝突したくないという
矛盾した性格を持つため、それがストレスになることがあります。
他人のためにイベントを企画したりすることは好きですが、
あくまで自分がしたいようにしたいから自分で企画するのであって、
人のためにしているという自覚は全くありませんでした。
また、他人によって自分の価値観が
左右されているという感覚は感じていません。
ただ、父親が要介護になったことは、
自分にとって精神的にも生活に大きな影響があった気がします。
長男なので自分が一家の長として
引っ張っていかないといけないという責任感が
重くのしかかったのかもしれません。
3.メランコリー親和型性格がうつ病にならないために気を付けること
一番重要な事は、自分がメランコリー親和型性格の傾向がある事を自覚する事です。
自分がメランコリー親和型性格である事を恥じる必要など全くないし、それを「問題だ」と感じる必要も全くありません。
ただ、性格の傾向として「他の性格よりもうつ病にかかりやすい」という事実がある事は知っておく必要があるという事です。更に、上で説明した「なぜうつ病になりやすいのか」まで理解しておくと、なお良いでしょう。
確かにそれを意識できていれば、うつ病を発症するまでに
自分で歯止めを掛けることができるかもしれませんね。
同様に家族や友人、職場の同僚などに
メランコリー親和型の性格だと思われる人がいたら、
うつ病を発症することから救ってあげられるかもしれません。
メランコリー親和型の方は「完璧を目指す」「過度に高い水準を目指す」という性格ですが、人間は完璧にはなれません。目標水準を達成できない挫折感や自己評価の低下といったストレスを慢性的に受けているのです。
その矛盾を徐々にでも改善できれば一番良いですが、例え改善できなかったとしても、こういった矛盾が自分の中にある、という事を認識しておくことは大切なことです。
うつ病を発症するまでは自分の思い通りになることが多かったので、
大きな挫折感や自己評価の低下というのが少なかったのかもしれません。
でも、大学受験も就職活動も
どちらかというと上手くいかなかったんですけどね。
人生70%いけてたら満足とか自分で考えながらやってたのですが・・・
あれ?完璧主義はどこへいったんだろう?
順調すぎる昇進が完璧主義を蘇らせてしまったのかもしれません。
ちょっとしたことでも適度に手を抜いてみたり、他者に頼ってみたりするクセをつけるのはストレスを溜めこまないためには大切なことです。
手を抜くのは苦手では無いですが(笑)、
人に頼るのは苦手です。いや、非常に苦手です。
仕事での役回りが変化し、自分の力だけでやるのは不可能な中で、
年上の部下に囲まれて思うようにいかなかったのは、
大きなストレスでした。次は上手く立ち回れるようになりたいです。
とりあえず、平レベルまで落ちたので仕切り直しですね。
他のこともほどほどにやっていきます。
溜め込んだストレスは必ず発散しないといけません。特にメランコリー親和型性格の方は、ストレスが溜まりやすいため、より発散する事を意識する必要があります。
気分がスカッとするような趣味や行動をいくつか作っておき、定期的にそれを行うようにしましょう。
趣味は医者からも言われています。
先日のエントリーにも書いた通りですが、
今の自分にあった趣味を見つけないとですね。
不調を感じた時、早めに精神科・心療内科を受診し、早めに必要な手を打つ事ができれば、傷はそこまで深くならず、その結果他者に迷惑をかけずに済むでしょう。
メランコリー親和型性格の方は、どうしてもうつ病になりやすいという傾向があります。これは間違いのない事です。だからこそ、不調を感じたら早めに専門家に相談するという姿勢が大切なのです。
先日まで1週間に1回通院していたのですが、
次回からは2週間に1回になりました。
これは良いことではあるのですが、
その分、自分自身で体調をモニタリングしないといけない
ということになります。
幸い主治医は電話でも対応くれるので安心ですが、
油断せず、無理せずでいきたいと思います。
- 作者: 井上猛,桑原斉,酒井隆,鈴木映二,水上勝義,宮田久嗣,諸川由実代,吉尾隆,渡邉博幸
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