時間稼ぎ(主治医の言葉の意味を考える)
主治医は私へのアドバイスとして、「今は時間稼ぎをしないと」という言葉をよく使います。他にもいろんなアドバイスをくれるのですが、それぞれにいろんな意図が含まれているように感じます。今回は「時間稼ぎ」について私なりの解釈を書いてみようと思います。
まず、いったい何の時間を稼ぐのかということですが、発症して急性期を過ぎて、回復期や再発予防期にある段階にて、再発しない期間を少しでも長くしていくことを指します。
うつ病は再発の多い病気で、再発を繰り返すほど再発率は上がっていきます。私は2回発症しているのですが、再発率は7割程度だそうです。次に再発すると、再発率は9割にまで上がり、そうなってくるとずっと再発を繰り返していく可能性が高くなります。そのため、主治医からは再発すると予後は厳しいと脅され?ています。
また、発症からの時間が経過するほど再発率は低くなっていくそうです。2回発症してしまったことは事実であり、変えようが無いので、再発を防ぐには時間が少しでも経過するよう「時間稼ぎ」をする必要があります。
主治医からは再発しないように仕事や日常生活をコントロールすることを何よりも優先させ、「死んだふり」をしてでも、「時間稼ぎ」するように指導されています。
「死んだふり」については改めて書こうと思いますが、ただでさえ、長期で仕事を休んでいたくせに、まともな仕事もせずに、「死んだふりをしてまで時間を稼ぐ」とは何ということかと、職場の人に聞かれると怒られそうです。
私も最初は言葉通りに受け取って、こんなに職場に迷惑を掛けているのに何ということを言うのか、少しでも頑張って仕事をできるようにならないとと思っていたのですが、最近はその考え方自体が危険だということに気付いてきました。
人並みに仕事ができない=頑張れていないと捉えていたのですが、実際のところは職場に行って簡単な仕事をするだけでも十分過ぎるほどに頑張っているのです。だから、仕事が終わって家に帰ってきても寝るしかなかった。弱った状態で無理をすると、再発のリスクは高くなります。
再発するまではあまり気付いていませんでしたが、うつ病なると本人が想像している以上にいろんな能力が落ちています。
うつ病の人に頑張れとアドバイスをしてはいけないというのを本などでよく見掛けるのですが、これは頑張ったらいけないという意味ではありません。うつ病患者自身が十分に頑張っているにも関わらず、発症前のイメージから、こんなのは頑張っているとは言わないと考えて、悩んだり傷付いてしまう傾向が強いためだと思います。
本当に苦しい時は、寝転がっているだけでも、少しご飯を食べるだけでも、散歩に出かけるだけでも、それで十分頑張っているんです。一歩歩くだけでも大変だという状況を自分自身でも自覚する必要があるのかもしれません。
話が脱線してしまいましたが、主治医の「時間稼ぎ」というアドバイスに対して、私がすべきことは、恐らく人事付けが解かれる4月までに再発しないように気を付けながらも、他部署に異動して負荷が掛かった場合にも対応できるレベルにまで回復しておくことです。場合によっては負荷の軽い部署へ異動させてもらえるよう主治医と共に職場に対して働きかけていく必要が出てくるかもしれません。
引き続き、再発しないように時間を稼ぐと同時に、4月以降も時間が稼げるように準備していきたいです。