うつにっき -うつ病の治療きろく-

うつ病の治療や過去の振り返り、新しい生き方の模索などを記録していくブログです。

貧困妄想について

 うつ病になってから、貧困妄想が強く出るようになりました。徹底して節約しているのに、お金が無いように感じるのです。

 現在は仕事もなんとか行っているし、ボーナスも含めれば家計は黒字です。休職したために、昇給が少なかったりしたけれど、給料は減らされてはいません。

 節約生活を送っている上に、人と会ったり、遊びに行ったりということもかなり減っているので、貯蓄(投資)に回せるお金は以前と比べても減っていないように思います。

 多額の住宅ローンを抱えている訳でもない、金融資産は同年代と比べると多いほうのはず。収入は決して良くないけど、ごく普通のレベル。なのに、何故こんなに貧乏に感じるのか。

 やっぱり、ずっと働けるという確信が今の自分に無いというのが大きいように思います。以前は、定年まで働けることは当然だと思ってました。その上で、どれだけ昇進できるかやキャリアアップのための転職ができるかどうか。まさか、働けなくなる可能性なんて考えたこともありませんでした。何となくでも働き続けることさえできれば生活はできるはず。

 逆に、働き続けられなければ、今は収入があっても、貯蓄があっても、いずれは尽きてしまいます。それは、可能性は違えど、元気な人も同じなんですけどね。いつ、事故に遭うか、大きな病気になるかなんてわからない訳で。

 完全に治って、安心して、再びバリバリ働けるようになるというのをとても想像できる状態じゃないことが、貧困妄想を強くしてしまっています。でも、治らない可能性もあれば、当然治る可能性もあるのに。この経験を活かして仕事でも役立てることができるかもしれないのに。そっちの方向になかなか考えを切り替えられません。

 石橋を叩いて渡るように頑張ってきたのに、それでも2度も再発してしまったのだから、そう思ってしまうのも当然かもしれません。

 節約というのは、目的があったり楽しんでやっているうちは良いのですが、ゴールの見えない節約は大きなストレスを生み出すように感じます。

 私の場合は、これだけ貯めようという目標があるというよりは、仕事が続けられないかもしれないことが根底にあるので、仕事をしなくても一生暮らしていけるだけのお金が無いと安心できないかもしれません。いや、恐らくそれだけのお金があっても安心できないんじゃないかなと思います。

 貧困妄想は結局のところ、うつの症状から出てくるマイナス思考のほんの一部であって、うつ病自体が良くならない事にはお金がたくさんあっても、また別の不安を探してきてしまう気がします。

 節約しても、それをすることによるストレスが発生するし、気にせず使うようにしてもお金が減っていくことにストレスを感じるはず。

 本来であれば、節約してお金が貯まったら、それを使ってやりたいことをやったり、欲しいものを買ったりできるし、使うなら使うでそれを満喫すれば良いだけです。

 物事には多くの場合は両面があって、良い面、悪い面のどちらを見るのかで、同じ出来事に対しても、随分と感じ方は変わるように思います。

 病気になったこと自体もそうです。仕事をして収入が得られたり、家族や周りの人がいてくれたり、元気に出掛けられること、楽しく笑うこと、そんな当たり前のように感じていたことが、当たり前じゃなくなって、普通に生活が出来ることのありがたさがようやくわかりました。

 貧困妄想にどう対応していくのかについて、何一つ書けていませんが、日々少しずつでも回復に向けて進んでいるイメージを持つこと、節約するならその分お金が貯まってよかった、元気になったら楽しく使おうと考えるようにすること、あとは必要以上に縮こまらずに必要な時は自分や家族のためにお金を使えるよう、使っても良いんだよと自分で思えるように心掛けていきたいと思います。