精神疾患を抱えながら働くこと
ニャートさんの記事を読んで、精神疾患(うつ病)を抱えながら働いている私が日ごろ感じていることを書いてみたいと思います。
私はこれまで3回うつ病で休職しながらも、退職せず、同じ職場で働き続けています。正確には転職しようとしたけどうつ病の再発により転職できなかったというのが正しいです。
やっぱり休職を繰り返すと、職場での立場、いわゆる役職だけでなく、人間関係でも肩身の狭い思いをしています。必要以上に私がそう感じてしまっている部分もあるかもしれませんが、どちらにせよ同じ職場のはずなのに、うつ病になる前の職場の居心地とは恐ろしいほどの差があります。
役職が落ちたのにも関わらず、仕事の負担も以前より相当重く感じます。なんとなくこなせていたはずのことが不安に感じたり、上手く処理できなかったり。
再度、転職にチャレンジしたらどうかと考えたこともあったのですが、うつ病になった原因が職場にあったとしても、今の自分の仕事がこんなに負担に感じるのは、パフォーマンスが出せなくなっているからであって、今の状態では納得できる転職は難しいし、却って再発のリスクも高まってしまうように思います。
今の職場なら、良くも悪くも調子が悪いことは周知の事実となっているし、パフォーマンスが下がっているにも関わらず、昇給ペースはかなり落ちたけど、以前より下がってはいないので、今の自分にとっては非常に恵まれているのかもしれません。
転職は自分の状態が十分に回復した時にその気持ちがあるなら、考えてみようかなと思っています。
私の今の仕事は今は業務量が落ち着いているので、なんとかやっていますが、来年度に非常に大きな仕事をいくつか抱えていて、残業もかなり発生するので、再発しないか不安です。
昨年度も、突発的に忙しくなって、再発してしまったのですが、当時の再発前と比べて今のほうが良い状態とは感じていません。
今年度は年明けまでは業務量は落ち着いているので、どこまで良い状態に持って行けるかと繁忙期への準備ができるかが非常に重要だと思っています。
本当は、仕事も辛いし、人間関係も付いていけないし、辞められるのなら辞めて、治療に専念したい、いや、日々の苦しみから逃れたいというのが本音ですが、家族を養わないといけないのでそうもいきません。生活レベルを落としたくないというのもあります。消極的な理由でやめると、なかなか有利な条件で転職できないですしね。
精神疾患を抱えている方でも、環境は人それぞれです。家族との関係が悪くて家にいても治療がままならない人、働かなくても養ってもらえる人、自分の病気だけでなく家族の病気や介護を抱えている人、家族や子供を養っていかないといけない人、いろんな方がおられると思います。
ニャートさんの記事では、2人の精神障害を抱えておられる方が登場していました。どちらの方もブログの読者登録をしているので、書かれている議論についても知っていたのですが、精神疾患を抱えながら働くことでも(私は)こんなにつらく感じているのに、自分よりも重い症状を抱えながら社会で働くというのは、普通の人にはとても想像できないほどに辛いことなのは間違いないはずです。
障害者雇用の待遇改善をという主張も見掛けますが、確かに一定の給料が無いと生活できないというのはありますが、待遇に見合ったパフォーマンスが出せないのなら、待遇が良くても人間関係などで辛い目に遭いやすいというのも事実です。
精神疾患を抱えながら安定して働いていくには人間関係が非常に大事なので、体調などへの配慮は必要だとしても、特別扱い(特に賃金での)というのは難しい側面があります。
待遇改善はもちろんあったほうがいいですが、何もせずに待っているのではなく、自分がお金を稼げる手段を見付けていくこと、能力を身に着けていくことが何よりも大切だと思います。これは障害者に限った話ではありません。健常者も同じです。
結局は、仕事は遊びでも無ければ、リハビリ施設でも無いので、厳しいようですが、最後は自分で頑張るしかないように思います。もちろん無理して悪化してしまったら意味がありませんので、体調管理しながらになります。
収入を得る手段というのは、コンビニでのアルバイトのようなマルチタスクで接客が伴うようなものもあれば、チラシのポスティングや工場での軽作業など一人で行える仕事もあります。
私自身は臨機応変に動く仕事や、人間関係を調整する必要があるような仕事よりも、高度な知識が必要であっても、決められたルールで効率よくこなす仕事のほうが、やりやすいように感じています。これは性格や特技・能力によって異なってくるかもしれませんね。
健常者でも障害者でも、政府や世間などのせいにして何もしないのは簡単。でも、自分の人生は自分でしか切り開けないと思っています。
精神疾患や障害を抱えて、なかなか思うようにいかない部分もあったとしても、日々自分のできる範囲でコツコツ頑張り続けた人には、きっと良い結果だったり、助けてくれる人だったりが出てくるのだと信じています。