うつにっき -うつ病の治療きろく-

うつ病の治療や過去の振り返り、新しい生き方の模索などを記録していくブログです。

休職から復職へのハードル②

 昨日、うつ病で休職している友人から相談を受けて、感じたことを書いたのですが、その後に違和感を感じていました。

 私が苦しい時に凄く助けてもらった友人なのに、内容が少し辛辣だったからかなと思っていたのですが、1日経ってその正体が少しずつわかってきました。

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  友人と話をしている中で、「自分はもう復職できると思っているけど、主治医がそれを認めてくれない」「職場の人事には迷惑を掛けたくないので、異動に関して自分のことは配慮はいらないと伝えようと思っている」という発言に強い違和感を感じていました。

 これが自分はまだまだ回復していないので、全面的な配慮が必要と言っているのであれば、少し安心できたのですが、私から見て以前の状態からはまだまだ程遠いのに、そのことについて向き合えず、強がっている部分に危なさを感じたのです。

 自分が正常な状態では無いこと、周りの助けが必要であることを認めることは、復職を目指すにあたって非常に大切なステップだと思います。

 復職すれば、日常生活で受けるストレスは大きく増加し、それを主治医や本人がコントロールすることが難しくなります。毎日、家で好きな時間に起きてゆっくり過ごせるのと、決まった時間に起きて通勤するというだけでも大きな差があります。

 その上で、仕事自体の負荷もあります。復職のトレーニングに勤務時間に集中して本を読んでみるとか書かれているのを見たことがありますが、そんな楽な仕事は滅多に存在しません。

 自分が仕事をこなすことも大きな負荷ですが、負荷を軽減してもらったとしても、それはそれで周りに気を使って精神的に消耗したりもします。

 周りの人たちが楽しそうに談笑しているのに、自分は思うように入っていけなくて、疎外感を感じることもあります。

 私自身は復職というのは1つの壁なのではなくて、いつまで乗り越えても終わることのない無数の壁でできているように感じています。

 実際のところは、健常者にとっても同じなんですけどね。ただ、ハンデを背負っている分、誰もが簡単に乗り越えられるような壁さえもとても高く感じます。

 休めるものなら休みたいし、仕事を辞められるものなら辞めたい。でも、家族を養わないといけないし、仮にそうじゃなくても収入を得て生きていかないといけない。

 仕事なんて無理しなくて休めばいいとか、辞めても生きていけるという話もよく聞きますが、その辺りを踏まえたうえでの話なら、心に入ってくる部分もありますが、そうで無いなら無責任な言葉にしか聞こえません。できるんならやってるよと言いたい。

 どうしようもなくなったら親などに頼るしかないんですけどね。それは本当に最後だと思っています。

 話が脱線してしまいましたが、復職というのはそれ自体は困難でも何でもないけど、その後に治療と並行して再発せずに続けていくということは非常に大変なことです。

 自分自身が正しく自分の体調や状態を把握し、自分でどうしようもできない部分は周りのフォローが受けられる環境が整っていなければ、復職しても再発するリスクというのは非常に高いと思われます。

 周りが気を付けてフォローしてすれば良いといっても、それは理想論だと思います。それぞれが自分の仕事で精一杯ですし、正しく自分の状態が把握できていない状況では、自分自身を守れないし、守ってもらうことも難しい。

  仕事は遊びではないし、学校や部活でもありません。周りは理解してくれようとするし、フォローもしてくれていますが、病気であろうと障害があろうと甘えられない部分があります。復職してからそのように感じることも多々ありました。

 だからこそ、今の自分の脆さを認めて、正しい自分の状態を把握する、周りにどのような配慮が必要なのかを発信して職場と調整していく、今の自分に足りない部分と向き合って、どのように補っていくのかを考えていく。これらのことが、寛解していない状態で復職するにあたっての最低条件であると思うのです。