うつにっき -うつ病の治療きろく-

うつ病の治療や過去の振り返り、新しい生き方の模索などを記録していくブログです。

特例子会社について(障害者雇用関係)

 最近、精神障害者の社会参加をテーマにした講演を何回か聴いてきたのですが、その中で特例子会社というものが紹介されていました。

特例子会社 - Wikipedia

特例子会社(とくれいこがいしゃ)とは、日本法上の概念で、障害者雇用に特別な配慮をし、障害者の雇用の促進等に関する法律第44条の規定により、一定の要件を満たした上で厚生労働大臣の認可を受けて、障害者雇用率の算定において親会社の一事業所と見なされる子会社である。

 簡単にいえば障害者雇用に特化した会社ということになります。障害者雇用率の算定において親会社の一事業所として見なされるので、親会社での障害者雇用率が法定雇用率を下回っていても、特例子会社で雇用されている障害者数を算入できるのです。

 障害者雇用に特化した子会社を立ち上げると言えば世間的にも聞こえはいいですが、その分親会社では雇う割合を減らすことにもつながるため、単純に綺麗事だけでは済まない部分もあるかもしれません。

 特例子会社にはメリット、デメリットの両面があると思いますが、メリットとしては障害者雇用に特化することで、通常の会社ではできないレベルで、設備や仕事の内容において障害者に特化して配慮をすることが可能です。

 紹介されていた下のリンク先の企業では、様々な障害に対して、仕事がしやすくなるように様々な工夫や設備の整備がされていました。

株式会社ダイキンサンライズ摂津

 これなら一般的な企業と比べて障害者の方も働きやすいだろうなぁと思った反面、健常者と障害者の働く場所に住み分けがなされることになるので、障害者の方にとってはどうなのかということが頭をよぎりました。

 通常の会社で働くことが難しい場合や、理解を得ることが難しい場合は、特例子会社のようなところで働く方が、周囲の理解のある中で支え合いやすいのではないかということ、社会との接点はプライベートで作る方が気持ち的にも楽なのかもしれないと個人的には思いました。

 一方で、企業の紹介の際に「最大限の配慮と支援はするが、甘やかすことは一切しないのが当社の方針で、採算が取れるように本気で取り組んでもらう」ということを強調されていました。

 これには大変感銘を受けました。私は障害者手帳を持っている訳ではありませんが、たまに本当に配慮が必要な部分と、単なる甘えである部分の区別がつかなくなることがあります。

 恐らく、配慮が必要なのに自分で無理してしまっている面と、配慮が必要と思っているけど実はただの甘えである面のどちらのパターンもあるように思います。

 そのこと自体は仕方ないと思うのですが、あくまで仕事は労働の対価としてお給料を貰う訳ですから、障害があるからといって甘えばかりが目立つのは論外ですし、周りからも理解は得られにくいと思います。

 私の職場の方や、講演会に聴きに来られていた方にも、同じ障害を持っていても、ハンデがありながらも何とか自分の力でできることをしようと必死で頑張っている方と、周りや行政などへの要求ばかりが目立って、自分自身は甘えてばかりで何もしていな方との差が物凄く激しい気がしました。

 「障害者が働きやすい世の中になっていない!行政はもっと働きやすい環境を作るべきだ!」と質疑応答でしきりに熱弁されている受講者の精神障害者の方がおられたのですが、あまり共感できませんでした。だって、聞いているところだと、本人はハローワークにも行ったことが無いし、他にも特に自分で何も動いていない。

 その方より障害の度合いが遥かに重いように思われる方が「私はいろいろできないので、これだけ一本に絞って仕事をしています。」と障害を持つ以前の経験を生かして仕事をされている方の話があったばかりだったので、余計にそう思ってしまいました。

 働きやすい環境が整備されていないのが仮に事実だとしても、周りが変わることを期待するよりも、自分でできることから無理のない範囲で動き出すことの方が遥かに大切で、良い結果になるんじゃないかなと思います。それがどんなに小さなことでもです。

 話が脱線してしまいましたが、障害を持った方でも働きやすい環境が整えられていくことや、障害者の方それぞれが持っている特技や経験を活かしたり、身に付けていくことで、障害者の方が少しでも多く働けるようになっていくと良いなと思います。