うつにっき -うつ病の治療きろく-

うつ病の治療や過去の振り返り、新しい生き方の模索などを記録していくブログです。

「治す気が無い」と言われるのがツラいという記事に思ったこと

 読者登録をさせていただいているサユさんのブログで下記の記事を読んで思ったことがあったので書いてみたいと思います。

www.sayulog.com

 記事の内容としては、うつ病を治す気が無いのでは?ブログなんて余計なことにエネルギーを使わないで治療に専念しろなどと言われることがある。サユさんとしては好きでこんなことになりたい人なんていない、治したいと本気で考えて、取りうる治療は全て試しているといったものでした。

 強引にまとめてしまって語弊があるかもしれませんので、リンク先の記事を読んで頂くのが一番良いと思います。

 この記事を読んだ私の感想としては、サユさんはうつ病を治したいと本気で思っているだろうし、ブログやTwitterなどはリハビリとして最適であり、無理にしているのでなければむしろ続けるべき、でも「治す気が無い」などと言われるにも理由があって、それを捉え違えているのでは、というものでした。

 私は2回の発症と休職を経て、1年ほど前に復職、自立支援医療制度を利用しているものの障害者手帳は持っていない(次に再発すれば取ることになると主治医から言われています)という状況で、能力の低下や慢性疲労感、不安感などを感じながらも、様々な場面で支障は出ているものの、何とか働けている状況です。

 なので、サユさんの障害者手帳2級の症状の重さとは相当な差があるはずです。私の症状でさえ健常者の方にはとても理解できないと思っているのですが、サユさんの症状は私には経験しなければ本当の意味ではとてもわからないほどの重さがあると思っています。

 うつ病を憂鬱な気分になるだけの病気だと思っている人も多いですが、実際は意欲の低下だけでなく、精神的・身体的のどちらにも深刻なレベルの症状を引き起こします。症状が重かった急性期には生き地獄とはこのことかと思ったほどです。あの状況で自殺にまで及んでしまうのは不思議な事ではありません。サユさんも含めて、こんな苦しい病気を治したくない人なんてありえないと私自身は思っています。

 その上で、以前にサユさんの記事を読んだときに診察は3分ほどで薬を貰うだけといったようなことを書かれていたのが気になったことがあります。3分の診察でどれだけ症状や生活の状況について主治医が把握できて、今後の治療や生活、就労などについて話ができるのだろうかと疑問に感じました。

 その他の精神療法などについては医師などの管理の下で行っていく必要があると思うのですが、どうしても自己判断で行ったり、医師からの勧めで単発的に行うことになってしまうのではと思います。

 10数年間、症状が大きく改善しないままなのであれば、家族の協力も得ながら、現在の治療で良いのかどうかについて一度考えてみることも必要なのではと余計なお世話ながら、そんなことを感じてしまいました。

 ブログについては、外出したり、他人とのコミュニケーションが取りにくかったり、その機会が少ないうつ病患者にとって、自己表現の場であったり、社会活動を補完できる場であると思っています。社会活動に参加するための大切なリハビリになるのであって、これを否定するのはリハビリ、つまり病気を治そうとするを否定することになると思っています。

 サユさんは素晴らしい文章と絵を描く能力を持っていて、その才能を活かして多くのブログ読者がおられます。特に絵に関しては普通に上手というレベルを越えているのでこれからもブログを大切にしていってほしいなと思います。

 最後に、もう一点。以前の記事で、精神障害者が障害者雇用枠に入るようになるので、就職して自立して生活できる程度の収入を得たいと以前の記事で書かれていた点についてです。

 その記事について他の方が書かれた言及記事に対して、サユさんが反論されている記事も読みましたが、気持ちは分かりますが、現実にはサユさんがとても想像できない困難なハードルが多く待ち受けている気がします。

 そんなことわかっているよと思われるかもしれませんが、それなら、通常なら就労継続支援B型や単純作業のアルバイト、ポスティングなどから就労を目指していくのが現実的かもしれないと思いました。

 精神障害者が障害者雇用の法定雇用率の算定に含まれることが、精神障害者の正社員での雇用が根本的に促進されることは無いと思いますし、雇用されること=生活できる収入が得られることではありません。健常者と同じパフォーマンスが出せなければ辛い思いをすることも多いです。辛いだけならまだいいのですが。。

 人間関係などの面で想像もしなかったハードルがたくさん現れると思います。最終的に障害者雇用枠を活用して正社員になることを否定している訳ではありません。むしろ素晴らしいことです。

 でも、ただでさえ健常者と同じように動けないのに、一気にそこまで持っていくのは不可能です。無理をせずに一歩ずつ進んで、たまには後退しても仕方ないぐらいでやっていくことが最終的には近道になるのではないでしょうか。

 またサユさんの絵や細工の才能があれば、LINEのスタンプ等を作って販売したり、作ったものをフリマアプリなどで販売するというような仕事も良いと思います。赤ちゃんのスタイ(よだれかけ)などを作って売っておられる方もいますよ。

 いろいろと失礼なことを書いてしまい申し訳ありません。サユさんにとって何かの気づきになるといいなと思って書きました。これからも応援しています。